皆さんはスマートフォンをお使いですか?
携帯電話がめざましい進化を遂げて、ゲーム、通話、メール、ナビゲーション機能、あらゆる予約、交通機関の運賃や買い物の支払いなど、スマートフォン(以下 スマホ)のない生活は考えられなくなりました。
普及に伴い、スマホ老眼やスマホ首…いわゆるストレートネックなど様々な、健康面の問題が取り上げられています。
今回は首の痛みについてのお話です。
バスの待ち時間、病院の待合、電車の移動、さらに自宅でも暇さえあれば画面を眺めています。スマホの画面を眺めているとき、視線はずっと下を向いている場合ほとんどです。
手をあげて視線と平行にしている人を見たことはありませんよね(笑)
◇首の痛みを引き起こす症状は?
① ストレートネック ~スマホ首とあたまの重さ
人間のあたまの重さは成人であれば、だいたい体重の10% およそ5~7kgあります。
体重50kgならあたまの重さは5kg、100kgなら10kgと言うことになります。
本来ならば骨盤~背骨~頸椎のS字カーブであたまの重さを分散しながら、バランス良く支えています。視線がまっすぐ前を向いているときは緩やかに首が前湾しています。
しかしスマホの画面を見ているときは、頸椎=首の骨だけで支えることになります。
首の前湾がなくなり、スマホの画面に向かって首がまっすぐになります。
首の後ろに手を押し当てて、視線が真っ直ぐな時とスマホの画面を見ているときで、どう違うか、ご自身で確認してみてください。
スマホはパソコンと比べ、さらに視線が下向きになり、自然と頚部を肩より前に突き出す姿勢になります。あたまの重みで頸椎に負担が掛かり、硬くなった筋肉は柔軟性を欠きます。首の生理的湾曲が保てず首の筋肉が伸ばされたまま、血流が悪くなり硬くなります。首の痛みだけに止まらず、肩のコリや頭痛に発展することが多いのです。
② 寝違え
首の痛みとして、良くおきるのが寝違えです。
朝起きた時や昼寝から目覚めたときに首の痛みがある場合は寝違えの可能性が高いです。
しかし寝違えが起きる明確なメカニズムは解明されていません。
就寝中、長時間にわたり首がおかしな方向にまがったままになると、首の筋肉が部分的な阻血状態になり、筋肉が固まってしまいます。その筋肉のしこりが目覚めたときに首の痛みとなって生じるのが寝違えです。
マッサージを受けたり自分でゆっくり首を動かし、血流を良くすることによって数時間から数日程度で首の痛みが緩和していきます。
◇自分の首の痛みは何だろう?
① 姿勢が悪い場合
「姿勢が悪い自覚がある」もしくは「姿勢が悪いね」「猫背だね」と指摘されたことがある場合、首の痛みの原因はストレートネックである可能性があります。頸椎が真っ直ぐになってしまうため前傾姿勢が目立ちます。座った時でも、立っている時でも首が前に突き出している状態のまま固定されてしまうため、周囲からも姿勢の悪さが目立ちます。
ストレートネックの場合は首の痛みの他に眼精疲労、頭痛などがあります。
② 朝起きた時の首の痛み
朝起きたときに首の痛みを感じるときは、寝違えの可能性が高いです。寝ているときに首が無理な姿勢になり、筋肉がこわばり、血流が滞る事により、疲労物質や痛みの原因物質が筋肉に蓄積された状態です。また枕が合わない場合もあります。高い枕は寝返りが打ちにくく、寝ながらうなずいた姿勢になるので寝ている間、無意識に無理な姿勢を取りがちです。
◇首の痛みの改善方法
①ストレートネックによる首の痛みの場合
首の痛みの訴えで、最近多いのがストレートネックです。
タオルを使ったストレッチを紹介します。
1. フェイスタオルを両手で持ち、首の後ろの真ん中にあてる。
2. タオルを持った両手を斜め上に引っ張り、頭を少し上に傾ける。
3. 2の状態から、あごを喉元に引きつけるように、うなずく動作をゆっくり5~20秒行う。
一日5回が目安です
※ 首に強い痛みがある場合、またストレッチをして痛みが出た場合は速やかに中止してください。
② 寝違えによる首の痛みの場合
首の筋肉は肩や肩甲骨にもつながっています。ゆっくりと首を全方向へストレッチするだけでなく肩甲骨や背中のストレッチを行います。普段もストレッチを取り入れると肩こりや頭痛の予防にもなります。
1. 頭の後ろで手を組み、肘を背中側に倒すように胸を張る。左右の肩甲骨を真ん中に寄せるイメージです。
2. うしろを振り返るように首をねじる。さらにゆっくりと頭を回す。
※ 首に強い痛みがある場合、またストレッチをして痛みが出た場合は速やかに中止してください。
◇まとめ
普段の姿勢を良くすることや肩周りの筋肉を柔らかくする運動やストレッチを取り入れることでストレートネックにならないようにすることが大切です。スマホは便利ですが、身体を悪くするほど、夢中にならないように心がけましょう。最近、流行のキャンプや釣りに出かけたり、ジムに通ってみたり、ランニングを始めるなど『デジタル デトックス』をする日を作りましょう。