今月は「鍼灸」についてお話ししていきます。
最初に鍼灸というのは、東洋医学や漢方医学の一分野として中国から日本に広まり、今現在では伝統的医療の一つとして知られています。鍼灸は金属の細い針を経穴(ツボ)に刺入し、或いは艾(もぐさ)を燃焼させて経穴(ツボ)に刺激を加え病気を治そうとする施術です。この行為は誰にでも出来るわけではありません。その為には、「鍼灸師」という資格が必要になります。
鍼灸師になる為には、高校卒業して鍼灸専門学校・鍼灸大学・鍼灸短期大学などの教育機関で各種の医学ならびに技術の勉学を一定期間受け卒業試験に合格した後、さらに国家試験に合格しなければ資格取得が出来ません。その後も各種の学会や講習会などに参加して知識を増やしていかなければなりません。ある程度の個人差は有りますが学問、技術とも一定の水準にあり、安心して鍼灸の施術をお受けしていただく事が出来ます。
次に、鍼灸治療などについてお話しします。
〇鍼灸治療のメカニズムについて
私たちの体には、病気やケガなどを治そうとする「自然治癒力」が備わっています。例えば、皮膚に鍼を刺すと、その刺激によって細胞が「組織が壊された」と認識します。すると、壊れた組織を修復しようと白血球が集まって働き、同時に皮膚を保護するために、コラーゲンやセラミドなど、皮膚にとって大切な成分を積極的に生成する働きが起こります。このような自然治癒力によって新陳代謝が活発になること、血行がよくなることなどにより、不調改善につながります。
〇鍼灸治療で効果が期待できる症状
鍼灸による刺激が、自律神経や免疫の働きなどに作用し、筋肉の緊張を和らげたり、血液やリンパ液の循環をよくしたりすることが自然治癒力の向上を助けると考えられます。
※鍼灸治療による有効性が認められる病気
婦人科の病気 生理痛、月経不順、不妊、冷え性、更年期障害、乳腺炎
消化器の病気 便秘、下痢、消化不良、胃酸過多、肝機能障害、胃腸潰瘍
呼吸器の病気 風邪、気管支炎、喘息
神経の病気 頭痛、めまい、不眠、自律神経失調症、神経痛、けいれん、脳卒中後遺症
運動器の病気 腰痛、関節炎、リウマチ、五十肩、腱鞘炎、外傷の後遺症（打撲、骨折、ねんざ、むちうち）
代謝内分泌の病気 貧血、糖尿病、バセドウ病、痛風
循環器の病気 高血圧、低血圧、動悸、息切れ、動脈硬化
などがあげられます。
〇鍼灸治療で改善される症状
肩こり・腰痛への効果
頭痛への効果
自律神経失調症への効果
眼精疲労への効果
不妊治療への効果
ダイエットへの効果
小顔効果
などに効果が見られる。
〇鍼灸治療の副作用について
・鍼治療において抱かれやすい不安点
鍼治療の副作用として、瞑眩や内出血などの症状がみられることがあります。
瞑眩とは、鍼の刺激により、施術後にだるさや眠気を感じることです。ただし、これは鍼の刺激により体がよい状態に変わろうとする反応によるもので、通常は1～2日でおさまっていきます。
また、鍼を打った場所に内出血が起こることがあります。内出血の起こり方は、体質、体調、鍼を打つ場所などによって個人差がありますが、1～2週間のうちに、だんだん薄くなり、消えていきます。
・灸治療において抱かれやすい不安点
灸治療により、お灸のあとが残ってしまうことも、ないとはいえません。ただし、現在ではあとが残りにくいお灸も登場しています。
〇まとめ
鍼灸は、体のさまざまな症状を改善することが期待できます。その為には、患者様の不安を解決していき安心した施術を受けて頂きたいと思います。お悩みなどがある方はスタッフに相談して下さい。一緒に解決していきましょう。
最後に読んでいただきありがとうございます。
