ある時私は、駅のホームに向かう途中でうっかり階段を踏み外してしまい、その場で崩れ落ちてしまいました。その時、足首が見たこともない内向きの角度で曲がっていたのです。
「骨が折れた!もうダメだ」と思いましたが、特になんということもなく立ち上がれたしケガもしていませんでした。
その時痛感したのが、「足首ってやわらかいんだなー」ということでした。
やわらかいということは、しなやかということでもあります。足の機能は非常に多彩で、きたえようによっては、100メートルを9秒で走ることもできるし、氷上をジャンプして四回転することもできます。
しかし、もっとも大切なのは、なんといっても体を支える役目でしょう。足に常に求められるのは、体のバランスをとってくれるばつぐんの安定感です。
立ち上がってからすぐに歩き出すことができるのは、足が地面をふみしめた瞬間にはもう、地面をけり出して歩き出すという一連の動きを、足首がいつでも準備できているからです。
足首の関節(足関節)は人体でもっとも合理的かつ機能的な骨格と言われるだけあって、自重に耐えるための仕組みが幾重にも組み込まれています。
実際に立ってみると、バランスをとるために足がどれだけの仕事をこなしているかよくわかります。
まず、
①かかとから親指の付け根を縦のラインで支える縦のアーチが足全体の重みを受け止め、
②足の小指から親指まで、つま先の付け根を支える横のアーチは体が前のめりにならないよう体重をキャッチし、
③土踏まずは足に全体重がのらないように緩衝材の役目を果たし、足を運ぶ動きをスムーズかつスピーディに行います。
実際に立ってみると、つま先の親指にやや前がかりに体重をのせ、小指側とかかとの支えだけで立っている姿勢をとることが多いのではないでしょうか。
しかし、これでは足によりかかっているに過ぎず、自分の力で立っているとは言いがたい。急な動き出しに体がついて行けずに足元がくずれたり、転ぶなど外力が加わって受傷するおそれがあります。
足関節は親指を軸に内側に向かって動く範囲が広いため、外力が加わった際に足首を内側に持っていかれることがきわめて多く、反対側の外顆(外くるぶし)まわりを痛めやすい。これがねんざでもっとも多く見られる「内反ねんざ」です。
ねんざの傷の深さは、外くるぶしまわりからかかとにかけての症状の重さで見きわめます。
病院でねんざの診断を受けた際、レントゲン撮影で骨に異常が見当たらないと、関節をつくる組織である靭帯(じんたい)や腱(けん)などの軟部組織の損傷があると考えられます。
また、骨折の診断で多いのは「剥離(はくり)骨折」といった、外力がかかることで、靭帯や腱の付着部分が骨から引きはがされて痛みをともなう症例です。足関節では外くるぶしにおこるケースが多いようです。
しかし、どんな場合でも大事なのは痛めたら安静にした上で患部をアイシング、まずは炎症をおさえてやることが早期回復の第一条件です。軟骨やじん帯の損傷の回復には、炎症を抑えて患部を固定した上で2~3週間の安静が必要と言われています。
昨今のスポーツ外傷においては、手術後、もしくは手術をしないで経過を見る場合(保存的治療)でも、ギプスなどの長期の固定処置よりも早めにリハビリを始めることが推奨されています。
復帰後にもねんざがクセにならないよう、足がしっかり地に着いているか、着地や切り返しの動きで痛みが出ていないか、相互で確認しながらよくほぐします。
接骨院ではまず患部の炎症をおさえることを優先します。炎症が落ちつきしだい、足関節を支える筋肉をほぐして動きを助けます。
ねんざから回復して日常生活に支障がなくなってからも、足首を支える関節自体の働きがおとろえて、なかなか本調子に戻らないこともあります。
リハビリがはかどらなかったり、運動中の動きや動作後に痛みが出るといった症状が続く時こそ接骨院の出番です。
それにしても、「そこにある」と思ってふみこんだ所に何もないというのは恐ろしいものですね。痛みもさることながら恐怖感も相当のものでした。リスクを冒して攻め込む勇気も時には必要ですが、つまらない不注意で足元をすくわれないようにできるだけ気を付けてまいりましょう。
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