腰椎すべり症
①腰椎すべり症はどんな症状が出ますか?
症状としては、まず腰痛と下肢の痛みが有ります。背骨の神経の圧迫が強い場合には間欠性跛行(かんけつせいはこう)といって、長距離を歩くと、おしりと太ももふくらはぎなどに痛みや痺れが出てきて歩きにくくなる症状が出る場合も有ります。
②腰椎すべり症の治療法は?
腰椎すべり症の治療は、まず薬物療法や理学療法などの保存療法が行われます。消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬の処方、腰への負担を軽減するためのコルセットの使用や、神経ブロック注射などを行います。間欠性跛行が見られる方には神経の血流を良くするプロスタグランジン製剤の内服が有効なこともあります。
③腰椎すべり症の進行は?(病気についての説明)
病気の進行とともに、症状は変化し、初期は椎間板や椎間関節由来の腰痛が主体ですが、進行すると脊柱管狭窄症を生じ、間欠性跛行(長い距離を歩くと痛み、痺れが強くなり、しゃがみ込むと症状が軽減する)を認めたり、末期に成ると安静時にも下肢痛が出現するようになります。
④腰痛すべり症のウォーキングは?
現実問題として、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、腰椎すべり症などの患者様では、1日20分も連続で歩けない場合もありますが、可能な限りウォーキングを実践される方が腰痛に対する運動療法の一環として、また健康維持の一手段として推奨すべきと言えます。
⑤腰椎すべり症の年齢は?(腰椎変形すべり症とは)
この病気は腰部脊柱管狭窄症よりも若い年齢(40~50歳くらい)で発症することが多いようです。
⑥腰椎すべり症の分類は?
脊椎すべり症は、腰椎の前方すべりであり、通常は青年期に起こる。脊椎すべり症は、ある椎体が隣接した椎体から亜脱臼している長さの割合に応じて分類される。
Grade1 0~25%
Grade2 25~50%
Grade3 50~75%
Grade4 75~100%
⑦すべり症の神経症状は?
主な症状は、腰痛、下肢痛、下肢のしびれです。また、すべりによって腰部脊柱管狭窄症と同じような状態になるので、間欠性跛行を呈することも有ります。ですから、歩行障害、足のしびれや冷感、違和感など様々な下肢の症状を呈する事があります。
⑧すべり症コルセットいつまで?
腰椎コルセットの使用。最近では術直後から強固な固定が得られるため、一般的に術後に長期間の臨床は不要であり、1~2日で歩行が許可されます。
ただし、固定部が安定するまでの2~3ヶ月程度、腰椎コルセットの装着を要する事があります。
⑨腰椎すべり症の筋肉は?
腰椎(腰の骨)のおなか側に大腰筋(だいようきん)と言う筋肉があります。すべり症の場合、この大腰筋が硬くなり縮むことで、“腰椎を前方にズラス力”がかかります。そして、その状態をレントゲンで見ると、あたかも腰椎だけがズレている様に写るのです。
⓾すべり症 症状チェック(脊柱管狭窄症、すべり症とは)
1 腰の痛みがある。
2 しびれや感覚のおかしさがある。
3 足の付け根から足指のどこかにしびれがある。
4 手足の皮膚が冷たい。
5 皮膚表面の感覚がおかしい。
6 歩行時、階段昇降時に筋肉のしびれや痛みがある。
7 休憩するとしびれが良くなり、再び運動出来るようになる。
8 痛みで食べ物を嚙めない。
⑪腰椎すべり症どのくらいで治る?
個人差がありますが、約半年~1年とされています。又、痛みやしびれが改善する場合には、症状や状態によって改善までの期間は異なります。
⑫腰椎変性すべり症の手術方法は?
手術の方法。一般的には、大きく2つの方法が有ります。骨がずれて神経が圧迫されている状態ですから、まずは除圧術、主に椎弓切除術、部分的な椎弓切除術、内視鏡的な椎弓切除術を行い、必要に応じて脊椎固定術を行います。除圧術は神経を圧迫している部分を削って圧力を取り除く手術です。
⑬腰椎すべり症手術の成功率は?
手術により神経の圧迫が解除され、腰痛や下肢のしびれ痛み、間欠性跛行などの症状の改善が期待できます。症状の改善率は術前の状態によっても違いはありますが、80%~90%程度(一部改善を含む)と報告されています。
⑭腰椎すべり症悪化するとどうなる?
すべり症も長期間が経過して椎間板が完全にすり減ってしまい、不安定性が無くなってしまうと腰痛は軽くなってしまう事があります。しかし、腰椎がずれる事によって神経が圧迫されている場合には、不安定性が消失しても神経の圧迫状況には変化はない為に、下肢のしびれ感などの症状も改善しません。
⑮腰椎すべり症立ち仕事
又、すべり症は中高年以降に多いため、変形性腰椎症を合併して椎間関節症が起こりやすくなります。従って、すべり症では長時間の立ち仕事や歩行は避けて、肥満があれば体重を減らすなどの努力が必要です。
⑯腰椎すべり症の生活は?
我慢できる範囲の軽度な痛みで有れば、普段通りの生活を続けて大丈夫です。ただし、重い物を持ち上げたり、長時間の車の運転などで同じ姿勢を続けたりしない様にしてください。これらをきっかけに痛みが再発する方が多いからです。痛みで日常生活の不自由が続けば、専門的な検査を経て手術が行われます。
参考文献 分離症、すべり症は自分で治せる 単行本 2018/5/29 酒井 慎太郎。
腰椎分離症のミカタ 単行本 2019/5/10 酒井 紀典。
腰痛は歩いて治す、身体を動かしたくなる整形外科(講談社現代新書)2019/12/11
谷川 浩隆。
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