皆さんこんにちは。
今年も早いもので残り3週間くらいで終わってしまいますね。
大掃除や年賀状作りに追われている方も多いのではないでしょうか?
安定しない気温の中で忙しく動いていると気を付けてほしいことがあります。
それは……
ギックリ腰をはじめとする様々なケガです。
この季節になると病院もお休みに入る所が増えてきますのでより一層気を付けてくださいね。
今回はその中でも【変形性股関節症】についてお話したいと思います。
【臼蓋形成不全】
┗関節臼の形が不完全のため大腿骨頭が関節臼に収まらず、はみ出している状態のことをいいます。
【鼠径部痛症候群(グローインペイン)】
┗成長期の中学生~高校生にかけて多く見られるもので、運動量の増加とケアのバランスが崩れることで筋肉が硬くなり徐々に症状が出てきます。
【大腿骨頸部骨折】
┗転倒したりで大腿骨の頸部(細くなっている部分)を折ってしまうケガです。
高齢者に多く見られます。
【突発性大腿骨頭壊死症】
┗膠原病の治療に大量のステロイドを使った際に原因不明に大腿骨骨頭が死んでしまう病気です。
【発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)】
┗赤ちゃんの股関節が生まれつき緩く、股関節が脱臼している場合のことを言います。
脱臼している側の股関節があまり開いていなかったり、大腿のシワの位置が左右ズレているといった症状が確認できます。
【変形性股関節症】
┗このあと詳しく説明していきます。
【リウマチ性股関節症】
┗リウマチによる炎症性滑膜の為に軟骨や骨が溶けてしまい、そこへ体重が掛ることにより関節を破壊してしまう恐れがあります。
【ロコモティブシンドローム】
┗運動器の障害の影響により立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態です。
進行すると将来介護が必要になるリスクが高くなります。
このうち
【突発性大腿骨頭壊死症】【変形性股関節症】【リウマチ性股関節症】
が、成人における3大疾患と呼ばれております。
皆さん気をつけましょうね!
本題の【変形性股関節症】についてです。
上記を見てもらった通り、何も書いておりませんので!!
まずどんなものなのか……
簡単に言うと
骨盤(関節臼)と大腿骨との間にある軟骨がすり減り炎症→痛みを発生させる疾患です。
股関節の疾患はいくつかありますので、そちらも併せてお話していきますね。
股関節を構成しているパーツはいくつかあり、
骨盤、大腿骨、数多くの筋肉(書ききれないので割愛)、靭帯、関節唇(軟骨)
骨盤の下の方に大きなくぼみがありそこにモモの骨がハマり込みます。
ただ、骨のくぼみだけでは大きさが足りないので関節で縁を覆うような形で窪みを拡大して安定感を図ります。
そして、上記2つの骨を繋ぐように靭帯が伸びております。
骨折の仕方次第ではこの部分が断裂したり血行障害を起して重篤な状態に陥ることもあります。
【症状】
加齢に伴う退行性変化によって、関節を構成している軟骨が変性・摩耗していく疾患であり、進行すると関節全体が大きく変形し、疼痛(安静時疼痛、夜間痛)や下肢アライメント異常を生じる為、歩行障害や日常生活動作に制限をきたします。
この疾患を放置すると……?????
・下肢の筋力低下→歩き方や姿勢の悪化
↓
・運動機能低下に伴う心肺機能の低下
・腰椎や膝関節などの隣接部位が疼痛・変形
・消炎鎮痛薬の長期投与に伴う腎・肝機能の低下、胃腸障害
・生活習慣病(糖尿病など)の悪化
なんかこう書かれると、変形性股関節症を患う以上にその後の対処による弊害の方が怖いですね。
何事も軽視してはイケナイということですね……!!
では、なってしまったときはどうすればいいのでしょう?
大まかに2パターンあります。
【保存療法】
保存といってもそのまま何もしない訳ではありません。
消炎鎮痛薬や体重管理、運動療法(いわゆるリハビリ)、関節内注射(ヒアルロン酸、持続性ステロイド)、装具療法などが上げられ、メスを入れず(傷を作らず)に回復を図るものです。
メスを入れないことにより入院や感染症の心配、必要性はなく突発的な金銭の負担も比較的軽くなります。
ただし、長期的になったり一生付き合っていくような形になると覚悟しておいた方がいいです。
【手術】
手術治療法のひとつとして、人工股関節全置換術という方法があり、これが一般的です。
傷んだ股関節を人工の関節に置き換える方法で股関節をほぼ完全に再現できるため回復度、満足度とも非常に高い治療法となります。
人工関節の素材は主にチタン合金、関節面には摩耗(すり減り)の少ないポリエチレンやセラミックなどが採用されています。骨盤側、大腿側とも人工関節との固定には接着剤としてセメントを使用するタイプと使用しないタイプがあり、変形の度合いや年齢を考慮し選択されます。
実際何をするのかというと、骨盤の寛骨臼にカップと呼ばれる股関節の受け皿を固定し、大腿骨にはステムという芯棒を挿入するという方法です。
一般的に手術直後は股関節へ強い衝撃が加わらないよう注意しなければなりませんが、以前より耐久性は向上しています。
また人工股関節の手術方法自体も改良されており、より身体に対する負担が少なくなってきています。さらに人工股関節特有の合併症であった脱臼リスクも以前と比べ低くなってきています。だからと言って完全にというわけではないので、お医者さんとの相談は大切です。
上記も踏まえたうえで、手術後はスグにリハビリが開始され、1~2週間入院した後退院して、通院リハビリを繰り返していく流れになります。リハビリは平行棒や歩行器を使用して立ち上がり練習や歩行訓練、可動域訓練を行います。
荷重制限は無く、歩行状態が良好であれば手術翌日から歩いてトイレへ移動することも可能です。そして動作レベルに応じて歩行器から杖へと移行し、積極的に歩行練習をおこないます。自宅退院が近づいてくると、自宅でできるセルフトレーニングの指導や術前に難しかった靴下や爪切り、浴槽またぎや和式トイレなど日常生活動作の確認を行います。
そのリハビリ次第でその後の快適度が左右されるといっても過言ではないほど重要なものになってきますので、がんばりましょう!!
では皆さん、良いお年を~~!
画像参照https://www.iwai.com/group/shokai/seikei-kokansetsu.php