げんきや接骨院 江古田です!
12月に入り本格的な冬を迎えましたね。今年も残り1か月、体調を整え健康な体作りをしていきましょう。
今回は変形性股関節症についてお話させていただきます。
股関節症の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。
関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。
一方日常生活では、足の爪切りがやりにくくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になります。また長い時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事などの主婦労働に支障を来たします。階段や車・バスの乗り降りも手すりが必要になります。
変形性股関節症の症状は、大きく3つに分けられます。
1.疼痛(股関節周囲の痛み)
初期の場合、長時間歩行時・歩行後にだるさや運動開始時の痛みとして現れ、病期(病気の進行度)が進行するにつれて痛みは持続的となり、安静時痛や夜間(就寝時)痛が出現してきます。
2.運動制限(=可動域制限)
初期には運動制限は、著明ではありません。 関節の変形が進行するにつれて、股関節の動きの制限が著明になってきます。(靴下はき・爪切りが困難になってきます)
3.異常歩行=跛行(はこう)
疼痛性跛行は、股関節の痛みにより回避(かばって)歩行をすることです。また脚短縮(硬性墜下性歩行)=足が短くなることによる、異常歩行です。
変形性股関節症の病気の分類
a 臼蓋形成不全
軟骨破壊は最も軽い時期、臼蓋形成不全があり、骨頭が十分覆われていませんが、関節裂隙(関節のすきま)は保たれている状態をいいます。
b 初期股関節症
関節面の不適合、関節裂隙(関節のすきま)のわずかな狭小化や骨硬化(骨が硬くなること)・骨棘(骨のとげ)形成は認めますが、あっても小さい状態をいいます。
c 進行期股関節症
骨頭周辺、臼蓋底の部分に骨棘(骨のとげ)形成を認め、関節裂隙(関節のすきま)は明らかに狭小化するものです。骨硬化(骨が硬くなること)・骨嚢胞(骨の中に穴があくこと=空洞)などの変化や出現する状態をいいます
d 末期股関節症
関節裂隙(関節のすきま)の消失や関節としての適合性が消失する状態をいいます。
リハビリ
股関節症の原因は姿勢の悪さ、股関節周りの筋力や柔軟性、機能性の低下だと考えております。可動性が低下すれば靴下の脱ぎ履き・爪切りの困難さや歩くことが大変となり、荷重が減ることで筋力低下が生じますます疼痛が増悪し、日常生活に大きな支障をきたします。まずはじめに、疼痛部位や股関節の可動性、周辺筋力や全身の姿勢などの評価を行います。痛みの原因を特定し、硬くなっている部位の可動性向上や筋力強化を目的とした関節可動域練習、筋力増強運動などの運動療法を行なっていきます。筋力は関節にかかる負担を減らすために重要とされます。特に大殿筋(お尻の厚みのある筋)や中殿筋(骨盤の脇の筋)、内転筋(内ももの筋)は体重を支え、姿勢を保つ際に必要な筋肉です。うつ伏せで足を後ろに挙げる、横向きに寝て足を天井の方に挙げるなどをトレーニングは有効です。また内旋・外旋筋といったインナーマッスルを鍛えるため、股関節をねじるトレーニングも重要です。
歩くことで股関節の筋力を向上させ、脚を動かすことで関節可動域が広げる効果があります。
健康を目的とした歩行では、早歩きが推奨されることが一般的ですが、変形性股関節症の場合は違います。歩行速度が上がるほど股関節へ衝撃が伝わりやすくなるほか、歩行フォームが乱れ、不安定な股関節にさらに負荷がかかります。ウォーキングを始める際は、自分のペースでゆっくり歩くことがポイントです。
また慣れないうちから長時間や長距離を歩くのはオススメできません。無理をした疲労から動けなくなると、継続的な運動ができないため、短い距離・時間でも毎日継続することが大切です。