手関節の炎上案件・けんしょう炎

「大人気連載マンガ〇〇、作者急病のため今週はお休みです」

なんて見出しを見かけると、作家が今回時間なくて原稿落としたんだなーと察しますが、あまりにひんぱんだと

「きちんと治してから復帰しろよ」と心ないボヤきが出がちです。

 

 

キーボードを打とうとすると手首が痛くて伸ばせない。

ペンを持とうとすると親指の付け根が痛くて握れない。

とっさに手が出ても、痛くて手でつかんだりつまんだりすることが出来ない。

ペットボトルのふたをひねる動きが痛くて開けられない。

 

ふだん無意識にこなしている手の働きが突然不自由になるなんて、ちょっと想像がつかないでしょう。

これらの症例でもっとも負担がかかっているのが手首とひじの関節です。

 

 

手の健康を保つには、すべての指の腱(筋肉が骨に付着している部分)がスムーズに曲げ伸ばしができることと、握ったり持ち上げたり筋力を発揮できる前腕(肘から手首までを支える部分)の筋力が安定していることが必要です。

 

見てすぐわかる腱といえばかかとのアキレス腱が有名ですが、私たちも手のひらを開くと手首からそれぞれ指先に向かって、丈夫な腱が伸びているのが見てよくわかります。骨に似ているけど骨ではない、筋肉のような働きは見せるけど伸び縮みしないのが腱です。

 

手首を通る腱の束を覆うように包み込み、親指側でまとめているのが「腱鞘(けんしょう)」という、ベルトのような役割をはたしている組織で、筋肉が伸び縮みするたびに腱と腱鞘がこすれ合って生ずる痛みが「腱鞘炎(けんしょうえん)」です。

 

 

これ以外にも、手の不調が女性の不定愁訴にあらわれることは広く知られています。

加齢による更年期や出産前後においてエストロゲン(女性ホルモン)が減少して発症するケースは非常に多く、その原因は体全体におよぶことが考えられますので、病院で診断を受けることはとても大事です。

 

 

手の疾患のうたがいがある症例を挙げてみました。

◆けんしょう炎◆

指の動きが固くて関節がカクカクする、曲げると伸びないし自力で曲がらない:ばね指

親指側の手首が痛くて力が入らない、片手でスマホが持てない:ドケルバン病

ひじの外側が痛んで力が入らない、テニス肘:上腕骨外側上顆炎

 

・・・患部の炎症が原因なので、基本安静が必要です。

痛みが強いうちは安静第一です。経過を見て関節の動きを助けるために連動する筋肉をゆるめていきます。

 

 

◆関節の変形◆

親指の付け根が痛くて力が入らない:母指CM関節症

指の爪先の関節が赤くはれて痛む、症状が進行すると変形する:ヘパーデン結節

 

・・・関節の内側(関節包)の炎症や軟骨がすり減るなどの原因が挙げられます。

筋肉の下の関節部分が原因なのでほぐすことはできません。痛みが強いうちは安静第一です。

 

 

◆神経障害◆

親指から薬指にかけてしびれが出る、夜から朝にかけて症状が強まる:手根管症候群

 

・・・首の変形で発症する頚椎症と間違われることがまれにあります。

腱鞘の肥大化や炎症による神経の圧迫がおもな原因に挙げられます。患部と連動する部位をほぐして動きを助けます。

 

 

手指のちみつな動きをつかさどるのはおもに腱の働きです。

マンガ家やピアニストが指だけムキムキにならないのは、腱は筋肉と違ってパワーをたくわえることが出来ないからです。動きを維持するのは筋肉の役目ですが、腱は疲弊するので適度に休みをはさみましょう。

 

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